- 理系院生だけど研究職を目指すか迷っている
- そもそも研究職ってどんな人が向いているのか?
- 勉強はそこそこ好きだけど研究職を目指すべきか?
就活生のみなさん、こんにちは。
16卒×社会人4年目×研究開発職のなぎです。
本記事では上記の疑問にお答えしていきます。
- 【経緯】20卒就活生(院生女子)からのご質問
- 実体験│研究職に向いていないと思った理由は?
- 定義の話│研究職と研究開発職の違いは?
- 【前提】勉強が嫌い・苦手な研究開発職はほぼいない
- 研究開発職に向いている人の特徴は?
- 意外と『最初の専門性』は不要だったりする
- まとめ
【経緯】20卒就活生(院生女子)からのご質問
Peing経由で以下の質問を頂きました。
院生女子です。勉強は得意ですが研究は向いていないと思うことが多いです。研究職を目指しても大丈夫でしょうか?どのような人が研究職に向いているのでしょうか?
実は僕も『研究は向いていない』と思っていました。
「どうして向いてないと思うか」にもよりますね。
参考までに僕の実体験を綴っておきます。
実体験│研究職に向いていないと思った理由は?
- 1つの事柄を深く追求するのに飽きる
- 技術課題を自ら見つけることが苦手(できない)
僕が向いていないと感じたのは2つの理由からでした。
研究職は課題を見つけられてこそだと思ってた。
そんな漠然とした悩みを持っていたときに
お世話になっていた大学教授のある言葉を聞いて
意外と企業の研究職でもなんとかなるのでは?
そう思えるようになったので綴っておきますね。
大学院(修士)で学ぶのは技術課題を解決する力。
課題を自ら見つけて解決するのは博士課程で学ぶこと。
企業での研究と大学での研究は全然違うから
修士でも大丈夫。十分活躍の機会はあるよ。
そう言われてかなり気持ちが楽になりました。
おかげさまで、研究は苦手だと思っていたのに
今では『研究開発職』に就いています。
大学教授も言っていたように
大学・大学院で行っている研究と
企業で行う研究開発は似て非なるものだと
インターンをはじめ就活を通じて学んだからです。
大学の研究は向いていない(好きではない)が
でも企業での研究開発は向いている!ということが
十分ありえることだと実感しています。
実際に3年近く社会人として働いてみて感じた
企業での研究開発職に向いている人の特徴も
あわせてお伝えしていこうと思います。
定義の話│研究職と研究開発職の違いは?
『研究開発職』の意味を
明確にしておきます。
僕の解釈だと『研究職』とは以下のイメージ。
新しい技術を生み出すことに特化して奔走する。
新しい課題・技術シーズを見つけるところからスタート。
企業でいうなら『**研究所』と名の付く場所も多く
主に博士号を持つ人たちが活躍している。
大学・大学院での研究の延長線上にあり
一般的に『研究』というときはこの印象が強いはず。
一方で『研究開発職』とは以下のイメージ。
新たな技術を製品に織り込むために発生する課題を
複数の関係者を巻き込みながらクリアしていく仕事。
全く新しいところから技術を生み出すのではなく
従来技術の改良や既存技術の組み合わせで
いまより付加価値の高い製品を生み出していく。
企業内で院卒(修士)が活躍するのは主にこっち。
新しい技術そのものを生み出すような
いわゆる研究も多少はするんですけどね。
メインの仕事は技術を『製品に織り込む』こと。
技術と製品の谷を埋める仕事だと思ってください。
研究が苦手でも研究開発職なら好きになれるかも?!
【前提】勉強が嫌い・苦手な研究開発職はほぼいない
冒頭に記載した質問にもありましたが
研究開発職に就いている人は
基本的に勉強が好き(知的好奇心が旺盛)です。
その点で質問をしてくださった方は
研究開発職に向いているかもしれません。
勉強なんて嫌いだよ
そう言っていても内心は結構好きだったりします。
ただし、とても厳しい言い方をするならば
『勉強好きだから研究開発職に向いている』
というわけではありません。
勉強が好きという素質があってはじめて
研究開発職のスタート地点に立てる感じ。
研究開発職に向いている人の特徴は?
『勉強が好き』という前提を持ったうえで
研究開発職に向いている人ってどんな人だろう?
という点について考えていきたいと思います。
1.技術・世の中への興味・関心が広い
製品に結び付く技術への課題をクリアするために
特定の学問・技術のみに特化すればOK!ではない。
様々な学問が複雑に絡み合っています。
技術・学問への興味を幅広く持っている方が
間違いなく研究開発職に向いています。
研究テーマはかなりの頻度で変わります。
入社して3年の僕ですら5回以上変わっています。
その変化に対応できないといけないですからね。
もし僕が『自分は化学以外知らない・興味がない』
などと言う人間だったら間違いなく向いていませんね。
技術だけではなく、世の中にも目を向けられる必要があります。
企業での研究開発職は製品化を目指しているので
世の中で本当に必要な技術なのか?という点を
きちんと論理的に説明できないといけません。
モチベーションを維持するためにも
この技術を製品化したら本当に世の中のためになるのか?
これを自分の頭で考え、納得できる必要があります。
- 出世をしている上司
- 仕事のできる先輩
- 活き活きと仕事をしている人
研究開発職に向いている人は総じてアンテナが高い。
2.限られた時間で働き、社内調整業務に適応できる
企業での研究開発はあらゆる意味で時間が限られています。
大袈裟にいえば短時間での成果を求められます。
『研究は長い年月をかけて』という側面も大きいですが
企業はビジネスですのでどこかで見極めが入ります。
研究のスパンという軸で見ても時間は限られていますが
日々の働き方という点も時間が限られています。
昨今の世間的な事情もあってか
ダラダラと働くことは許されません。
あともう一点、重要なことがあります。
社内での調整業務に適応できること。
調整業務とはメール処理や会議設定などで
ときには社内政治に巻き込まれることも。
技術と関係ないところを馬鹿馬鹿しいと感じて
嫌気がさしてしまう人を結構みてきました。
たしかにバカバカしいなあと思うこともありますが
仕事をする上で必要となる場合が多いのも事実。
『調整業務をそつなくこなせること』
向き/不向きがわかれるところですが大事です。
3.他者とのコミュニケーションが好き(得意)
結局、コミュ力かよ!
ツッコミたくなる気持ちも痛いほどわかりますが
やはりコミュニケーション力は研究開発職に必須です。
『技術を実用化するために課題が1つしかない』
そんな状況は稀なので、他者と協力が必要です。
自分に与えられたテーマを進める上でも
実際に手を動かしてもらうのは他者であることも。
時には自分のテーマを偉い人に理解してもらったり
必要な情報を得るために他部署に相談したり
とにかく他社とのコミュニケーションが多いので
コミュ力が必要だと強く思います。
他者とのコミュニケーションをないがしろにしない
そんな人は研究開発職に向いているといえますね。
『ただ技術を追求していればよいわけではない』
こうした状況の企業がほとんどではないでしょうか。
わからないことを素直に人に聞けるのも大事な気がします。
意外と『最初の専門性』は不要だったりする
あらゆるところで繰り返し述べていますが
研究開発職に大学院で身につけてきた専門性は不要です。
(博士課程進学後に研究職に就くなら話は別ですが)
むしろ専門性を身につけるためのプロセスを理解して
仕事を始めてからもその姿勢を持ち続けられることのほうが
初期の専門性なんかよりも重要だと強く思います。
仕事に必要な専門性は、仕事を通じてしか身に付きません。
まとめ
研究開発職に向いている人の特徴は
- 技術・世の中への興味・関心が広い
- 限られた時間で働き、社内調整業務に適応できる
- コミュ力がある!(得意)
一番大事なのを選べ!と言われたら
即答で『コミュ力』と答えます。
こんな感じかなあと。
3年働いてみて思うのです。
ではまた
なぎ